MICROCHIP社
「Power over Ethernet(PoE)」は、LANケーブルを通じてデータと電力を同時に送る技術です。この技術は、屋外や高所などの電源供給が難しい場所でのデバイス設置に有用です。
PoEの規格は時代とともに進化しており、2003年に最初に標準化された「IEEE 802.3af(PoE)」から始まり、2009年の「IEEE 802.3at(PoE+)」、そして2018年の「IEEE802.3bt(PoE++)」と、消費電力の大きい機器の使用を想定して拡張されてきました。
PoEの普及と発展は、IoTの活用や新たな通信規格に基づいて開発されるスマートデバイスなどの分野で加速していくと予想されます。また、IP電話、IPカメラ、無線アクセスポイントの普及に伴い、PoEは大きな進化を遂げました。
PoEの導入においては、電源がない場所や電源を設置しづらい場所でも電力を供給できる事や、電源の設置工事が不要になるため工事費用の削減につながる事、そして配線に必要なものはLANケーブルのみとなり電源ケーブルやACアダプターなどが不要になる等のメリットがあります。これらの利点により、PoEは今後ますます重要な技術となると予想されます。特に、IoTデバイスの増加やスマートビルディングの普及に伴い、PoEの需要は増加すると予想されています。また、PoEの市場規模は2022年の約10億米ドル(約1兆5789億円)から2030年までに26億米ドル(約4兆1056億円)に成長すると予想されています。※1
これらの背景から、PoEは今後のネットワークインフラストラクチャにおける重要な要素となります。
PoE製品の概念図
■PSE(Power Sourcing Equipment)
PSEとは給電機器のことで、電力を供給する側の機器の事を指します。 通常はPoEスイッチングハブやPoEインジェクター、ミッドスパンがこれに該当し、 PSEは接続されたPD(受電機器)に対して電力を供給し、同時にデータ通信も行います。■PD(Powered Device)
PDとは受電機器のことで、PSEからの電力供給を受ける側の機器の事を指します。 IPカメラ、IP電話、無線アクセスポイント等がこれに該当し、電源の確保が難しい場所でも、 LANケーブルを通じて電力を受け取ることができることで、各機器の設置の自由度が高められます。Microchip社は、「PoE(Power over Ethernet)」の分野で幅広い製品群を提供しています。その製品群は、PoE ICとPoEシステム(PoEインジェクター※1/ PoEミッドスパン※2 およびスイッチ)で構成されています。
※1: PoEインジェクターは、イーサネットケーブルに電力を流し、IPカメラやアクセスポイントなどのデバイスが同じイーサネットケーブルでデータと電力の両方を得ることを可能にします。
※2:ミッドスパンは、PoEインジェクターの機能を拡張したものです。これにより、複数のデバイスを接続し、それらのデバイスが1つのPoEミッドスパンからPoE電力を得ることができます。ミッドスパンは、イーサネットスイッチとデバイスの間に配置され、ネットワーク接続にPoE電力を供給します。
製品群の主な特長
IEEE 802.3af/ at/ bt 規格準拠
これらの規格はPoEの国際標準で、Microchip社の製品はこれらの規格に準拠しています。
最大90Wまでのエネルギー効率の高いPoEをサポート
これにより、大電力を必要とするデバイスも電力供給が可能です。
シングルポート/マルチポートの両方をラインナップ
一つのポートだけでなく、複数のポートを持つデバイスにも対応しています。
屋内用、屋外用、そして産業向けのソリューション
さまざまな環境で使用できるように設計されています。
AC電源/ DC電源のオプション
電源の種類によって最適な製品を選ぶことができます。
最大10Gbpsのマルチギガビットに対応
高速なデータ通信にも対応しています。
安全なエンタープライズレベルの管理ソフトウェア
ネットワークの管理がより簡単で効率的になります。
これらの特長により、Microchip社のPoE製品は、さまざまなビジネス要件に対応する確実なPoEソリューションを提供することが可能で、顧客は自社のネットワーク環境に最適なPoEソリューションを選択できます。
PoE インジェクタ(ミッドスパン) | ||||
---|---|---|---|---|
用途 | 製品画像 | 製品名 | 規格 | 出力 |
屋内用 (最大速度1Gbps) |
PD-3501G | IEEE 802.3af | 15.4W | |
PD-9001GR | IEEE 802.3at | 30W | ||
PD-9501GC | IEEE 802.3bt | 60W | ||
PD-9601GC | IEEE 802.3bt | 90W |
PoE インジェクタ(ミッドスパン) | ||||
---|---|---|---|---|
用途 | 製品画像 | 製品名 | 規格 | 出力 |
屋外用 (最大速度1Gbps) |
PD-9001GO | IEEE 802.3at | 30W | |
PD-9601GCO | IEEE 802.3bt | 90W |
PoE インジェクタ(ミッドスパン) | ||||
---|---|---|---|---|
用途 | 製品画像 | 製品名 | 規格 | 出力 |
産業用 (最大速度1Gbps) |
PD-9001GI | IEEE 802.3at | 30W | |
PD-9501GCI | IEEE 802.3bt | 60W |
PoE インジェクタ(ミッドスパン) | ||||
---|---|---|---|---|
用途 | 製品画像 | 製品名 | 規格 | 出力 |
マルチ・ギガビット (最大速度10Gbps) |
PD-9001-10GC (屋内用) |
IEEE 802.3at | 30W | |
PD-9501-10GC (屋内用) |
IEEE 802.3bt | 60W | ||
PD-9601-25GC (屋内用) |
IEEE 802.3bt | 90W | ||
PD-9501-10GCO (屋外用) |
IEEE 802.3bt | 60W |
PoE スイッチ | ||||
---|---|---|---|---|
用途 | 製品画像 | 製品名 | ポート数 | 出力 |
屋内用 (1Gbps) |
PDS-408G | 8ポート | 90W/ポート | |
屋外用 (1Gbps) |
PDS-104GO | 4ポート | 60W/ポート |
PoE アクセサリー | |||
---|---|---|---|
用途 | 製品画像 | 製品名 | 出力または機能 |
ケーブル延長 (屋内用・最大速度1Gbps) |
PoE エクステンダ ー 型番:PD-POE-EXTENDER |
最大200m延長 | |
サージ対策 (屋内用・最大速度1Gbps) |
PoE サージ・プロテクター 型番:PD-IN/SP11 |
最大95Wをサポート | |
サージ対策 (屋外用・最大速度1Gbps) |
PoE サージ・プロテクター 型番:PD-OUT/SP11 |
最大10KVのサージ保護 | |
分岐 (室内用・最大速度1Gbps) |
PoE スプリッター 型番:PD-AS-951/12-24 |
PoE出力:54W/10W | |
PoE簡易テスター (室内用) |
PoE テスター 型番:PD-AFATBT-TESTER |
RJ45コネクタに電力が供給されているかどうかを確認することができます。 (IEEE 802.3af/at/btおよびレガシーPoEをサポート) |
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